若年性皮膚筋炎 


版 2016
diagnosis
treatment
causes
Juvenile Dermatomyositis
若年性皮膚筋炎
若年性皮膚筋炎(JDM)は筋肉と皮膚が冒される珍しい病気です。16歳以前に発症したものを「若年性」といいます。 若年性皮膚筋炎は自己免疫疾患の一つです。普通 免疫系は私たちを感染症から守ってくれます。ところが 自己免疫疾患では 異常な免疫が 感染が起こっていない正常な組織で働き、過度の炎症反応をおこします。強い炎症によって、その部分が腫脹し、組織が破壊されていきます。 JDMでは皮膚の小血管(皮膚炎)や筋肉の小血管(筋炎)で炎症が起こるため、筋力低下や筋肉痛といった症状があらわれます。特に胴体とその周囲のお尻や肩や首の周りの筋肉が冒されます。また、多くの患者で特徴的な皮疹を、まぶたや肘・膝に認めます。筋力低下と皮疹は 同時に出現することはありません。どちらかの症状が先に現れます。稀ですが、他の臓器の小血管に病変が及ぶことがあります。 皮膚筋炎は、小児、青少年、成人のいずれ年齢でも発症します。が 若年性皮膚筋炎は成人の皮膚筋炎と、まったく同じではありません。成人の皮膚筋炎では 20-30%に癌(悪性)を合併しますが 若年性皮膚筋炎では 癌の合併はありません。 1
evidence-based
consensus opinion
2016
PRINTO PReS



1若年性皮膚筋炎とは?

1.1どんな病気ですか?
若年性皮膚筋炎(JDM)は筋肉と皮膚が冒される珍しい病気です。16歳以前に発症したものを「若年性」といいます。
若年性皮膚筋炎は自己免疫疾患の一つです。普通 免疫系は私たちを感染症から守ってくれます。ところが 自己免疫疾患では 異常な免疫が 感染が起こっていない正常な組織で働き、過度の炎症反応をおこします。強い炎症によって、その部分が腫脹し、組織が破壊されていきます。
JDMでは皮膚の小血管(皮膚炎)や筋肉の小血管(筋炎)で炎症が起こるため、筋力低下や筋肉痛といった症状があらわれます。特に胴体とその周囲のお尻や肩や首の周りの筋肉が冒されます。また、多くの患者で特徴的な皮疹を、まぶたや肘・膝に認めます。筋力低下と皮疹は 同時に出現することはありません。どちらかの症状が先に現れます。稀ですが、他の臓器の小血管に病変が及ぶことがあります。
皮膚筋炎は、小児、青少年、成人のいずれ年齢でも発症します。が 若年性皮膚筋炎は成人の皮膚筋炎と、まったく同じではありません。成人の皮膚筋炎では 20-30%に癌(悪性)を合併しますが 若年性皮膚筋炎では 癌の合併はありません。

1.2どのくらいの患者さんがいますか?
若年性皮膚筋炎は、毎年およそ10万人に4人の割合で新たな患者さんが発症しています。男の子より女の子が多いです。4歳から10歳で発症することが多いですが、どの年齢でもJDMにかかり得ます。世界中のどの地域でも、どの民族でも発症します。地域差、人種差はありません。

1.3 JDMの原因は何ですか?遺伝する病気ですか? 何故私の子が病気になったのですか?予防できたのですか?
これが病気の原因だ というものは見つかってはいません。世界中で、JDMの原因を発見しようと多くの研究が続けられています。
JDMは、現在では自己免疫疾患と考えられており、おそらくいくつかの要因が絡んで発症すると考えられています。遺伝的ななりやすさに加え、たとえば紫外線暴露や感染症などの環境的な原因が加わり、それが引き金となって発症すると考えられています。いくつかの病原菌(細菌やウイルス)が免疫異常の引き金となることが数々の研究でわかっています。JDMの子がいる家系で 他の自己免疫疾患(たとえば 糖尿病や関節炎)の家族がいることもあります。しかしながら、孫・子の次の世代の家族に、JDMに罹る人が増えるわけではありません。JDMは遺伝しません。
現在のところ、JDMに罹らないように予防することは不可能です。最も大切なことは、あなたの子どもがJDMに罹らないように親として出来た事は何もなかったという事です。親の責任ではありません。

1.4 JDMは感染症ですか?
JDMは感染症ではないし伝染もしません。

1.5 JDMの主な症状は何ですか?
子どもによって症状は様々です。多くの子どもたちが訴える症状は以下のとおりです。

全身倦怠感(疲れやすさ)
子どもたちは疲れ易くなります。疲れ易さから、次第に運動することが難しくなり、ついには、日々の生活を送ることも難しくなってきます。

筋肉痛と筋力低下
胴体近くの筋肉のみならず、腹部や背中、首の筋肉が冒されるのが特徴です。実際的には、長距離を歩くことや、スポーツをすることを嫌がるにようになります。小さいお子さんであれば、「もっと抱っこして。もっとおんぶして。」とぐずつき、せがむようになります。病気が進行するにつれ、階段の上り下りや、ベッドから起き上がることも難しくなります。炎症をおこした筋肉が硬く短くなる子どももいます。(拘縮といいます。)手足の筋肉が拘縮すると、手や足を十分に伸ばすことが難しくなり、肘や膝は曲がった状態で固まってしまいます。そうなると、手や足の動きが悪くなります。

関節痛や 時に関節腫脹や関節の動きが固くなる
JDMでは、大関節や小関節 両方とも炎症を起こします。関節が腫れるだけでなく痛みが出て、関節を動かすことが出来なくなります。関節の炎症は治療に良く反応し、関節が壊されることはめったにありません。

皮疹
JDMの皮疹は顔に認めます。目の周りが腫れたり(眼窩周囲浮腫)、まぶたに紫がかったようなピンク色の発疹(ヘリオト-プ疹)や頬に赤い発疹(蝶形紅斑様皮疹)があらわれます。頬の赤みと同様の皮疹を身体の他の部位(かかと や肘膝の先端)にも認めます。その部分の皮膚が厚く変化します(ゴットロン兆候)。これらの皮膚の症状は、筋肉痛や筋力低下の症状よりもかなり先行して現れます。JDMでは他にもいろいろな発疹がみられます。炎症で腫脹した血管が、爪床や瞼に赤い斑点状のものとして見ることができます。JDMの皮疹は、太陽光を浴びると増悪し(日光過敏)、時に皮膚に潰瘍を生じてしまうこともあります(びらん)。

石灰化
病気の経過中に、皮下にカルシウムが沈着して固い瘤が出来ることもあります。これを 石灰化と呼びます。 石灰化は、JDM発症当初から認めることもあります。瘤のてっぺんに糜爛や潰瘍を作ったり、カルシウムで出来た乳白色の液体が排出したりすることもあります。皮下の石灰化は一度できると中々治りません。

腹痛またはお腹の痛み
消化管に病変が及ぶことがあります。腸管を栄養している血管が冒されるとお腹が痛かったり、便秘になったり、時に、命にかかわるような重篤な状態になることもあります。

肺病変
呼吸障害は呼吸器の筋力が低下することで起こります。筋力が低下することで、声が変わったり 物が飲み込みにくくなったりします。時に肺への炎症のため、呼吸が浅くなったりします。
最も重篤な状態は、骨に付着している筋肉(骨格筋)の全てがおかされてしまうことです。そうなると、呼吸困難や、嚥下困難や話すことが困難になります。したがって、声が変わったり、飲食が難しくなったり、咳がでたり、呼吸が浅くなったりすることは、重篤な状態であることを示している重要な症状になります。

1.6どの子でも同じような病状ですか?
病気の重症度は子どもによって様々です。皮膚病変だけで筋肉低下が全くないものや(筋炎のない皮膚筋炎)、検査すれば異常が見つかる程度の筋力低下が微少のもの、皮膚 筋肉、関節 肺や腸管といった身体のあちこちが冒される重篤なものまで様々です。


2 診断と治療

2.1 大人の皮膚筋炎との違いがありますか?
大人では、癌(悪性疾患)が隠れている可能性があります。若年性の皮膚筋炎は癌とは関連がありません。
大人では筋症状だけで皮膚症状のない症例もありますが(多発筋炎)、子どもでは極めて稀です。大人では、皮膚筋炎に特異的な抗体がよく検査でみとめられますが、子どもではあまり検出されません。しかし この特異的抗体は 子どもでも5年以内に出現してきます。石灰化は大人より子どもでよくみうけられる症状です。

2.2 どう診断するのですか?どんな検査がありますか?
JDMの診断のためには、診察所見に加え、血液検査や MRIや診断のための筋生検が必要です。子どもによって必要な検査は異なり、主治医がその子に必要な検査を選択してくれます。JDMでは筋力低下は特徴的なパターンがあり(大腿筋と上腕筋)そして特徴的な皮疹を認めます。こういった所見を認める症例は JDMの診断は難しくはありません。診察では筋力のチェックや皮疹や爪の生え際の血管の変化を診ていきます。
時に JDMは他の自己免疫疾患や(例えば若年性特発性関節炎や全身性エリテマトーデスや血管炎)先天性の筋疾患と似ています。いろいろな検査によってこれらの疾患を鑑別していきます。

血液検査
血液検査は、炎症や免疫能、炎症に続発する問題、それはたとえば、筋肉成分の漏れの状態を確認することができます。JDMの子どもの殆どは、炎症のある筋細胞の中の物質が漏れやすい状態になっています。つまり筋肉細胞内にある物質が、炎症により血液中に漏れ出しており、これを血液検査で測定することができます。この筋原性酵素と呼ばれるタンパク質の測定が最も重要です。筋原性酵素の測定は、疾患の活動性をみたり、治療効果をみたりするために行われます。筋原性酵素は5つの酵素が測定可能です。CK LDH AST ALT アルドラーゼの5つです。殆どのJDMの患者さんでは いつもというわけではありませんが、少なくとも一つ以上の筋原性酵素が上がっています。 他の血液検査では、JDMを診断するのに役にたちます。抗核抗体(ANA)、筋炎特異自己抗体(MSA)、筋炎関連自己抗体(MAA)です。ANAとMAAは他の自己免疫疾患でも陽性になります。

MRI
筋肉の炎症はMRIという画像検査で視覚的に確認できます。

他の筋肉の検査
筋生検という検査は、患部の筋肉の一部をメスや針などで取って(ほんのわずかの筋量で検査可能),顕微鏡などで調べる検査です。この検査によって、JDMを正確に診断することができます。さらに 生検はJDMの病態をより詳しく理解するのに必要な検査です。
病気による筋肉の機能的な変化は、筋電図(EMG)で測定できます。この検査は筋肉の中に細い針を入れて筋肉内を流れる電流を測定します。この筋電図検査は JDM と他の先天性筋疾患を鑑別するのに役に立ちます。しかし典型的な症状が診られるJDMの症例では必ず必要な検査というわけではありません。

他の検査
他の臓器に障害がないか確認するための検査も行います。心電図や心エコー検査では心臓の病変を見つけるのに役立ちます。呼吸機能検査とともに胸部レントゲン検査やCT検査を行うことで肺障害がわかります。造影剤を使い、その不透明の液体を飲み込んでいく様子をレントゲンで調べることで、嚥下の様子や食道の筋肉の筋力の評価ができます。腹部エコー検査では消化管の障害がわかります。

2.3 検査で大切なことは何ですか?
典型的な JDMは筋力低下のパターン(胴体の筋肉と上腕の筋肉) と特徴的な皮疹から診断できます。検査は診断を確定させるものであり、治療の有効性を判断するものです。JDMの患者さんの冒された筋の筋力の評価は、特定の指標を用いて、医師によって評価することができます。(小児筋炎評価尺度CMAS、徒手筋力テスト-8 MMT8) この筋力評価と血液検査(筋原性酵素の異常と炎症所見を認める)で評価できます。

2.4治療
JDMは治療可能な病気です。治癒を目指すのではなく病気をコントロールすることが目標です。症状が落ち着いて安定した状態になること(寛解)を目指します。JDMの治療はどの子どもも同じ治療をするのではなく、一人一人の患者に合った治療を選んでいきます。病気をコントロールすることができなければ、筋肉や臓器のダメージは進み、不可逆的つまり元に戻れない状態の障害になってしまいます。そうなってしまうと、もし病気が治ったとしても、残った障害のために、その後長期に渡って苦しめられることになります。
多くの子どもにとって、物理療法は大切な治療の一つです。患者さんやその家族によっては、病気や、日常生活へ影響に対応するため心理的サポートを必要とすることもあります。

2.5どんな治療がありますか?
治療に使われる内服薬はすべて、免疫を抑制する作用があり、炎症を抑え,臓器損傷を防ぎます。

副腎皮質ステロイド
この薬は速やかに炎症をコントロールするのに優れています。時に速やかに薬の効果を出したいときには、副腎皮質ステロイドを、血管(静脈注射や中心静脈ライン)から投与することもあります。病気で命にかかわるような状態の時には、これで命を助けることができます。
しかしながら、治療のため、高用量のステロイドが長期間必要になると、副作用がでてきます。ステロイドの副作用としては、身長の伸びが悪かったり、感染症にかかりやすかったり、血圧が高くなったり、骨粗しょう症(骨が薄くなる)になったりします。副腎皮質ステロイドは、低用量ではほとんど問題はありません。 副作用の問題の大部分は、高用量を使用した時に見られます。副腎皮質ステロイドを投与すると、その人自身が作り出しているステロイドホルモン(コルチゾール)の分泌機能を抑制してしまいます。それ故、薬を急に止めると、深刻な、時に命に係わる問題が起こります。だからゆっくりと減量していく必要があります。炎症が強くステロイドを減量できないときには、炎症を長期間コントロールするために、他の免疫抑制薬(メトトレキサートなど)を併用することもあります。

メトトレキサート
この薬は内服をはじめて効果がでるまで 6-8週間必要で、そして長期間の内服治療になります。おもな副作用は 内服前後で気分が悪くなったりします(吐き気)。時に口腔内潰瘍や髪が薄くなったり、白血球の数が減ったり、肝機能障害がみられたりします。肝機能障害は軽いものですが、飲酒によって悪化します。葉酸やフォリン酸、ビタミンを内服することで副作用を軽減させられます。特に肝機能障害は起こりにくくなります。メトトレキサートの作用機序上、感染のリスクが高くなり。特に水痘(水ぼうそう)が問題となります。メトトレキサートは胎児に影響を与えますので、この治療中は妊娠を避けなければなりません。
メトトレキサートと副腎皮質ステロイドの併用でも病気をコントロールできないときは、他にも治療が幾つかあり、時には併用して治療します。

他の免疫抑制療法
メトトレキサートと同様、シクロスポリンも長期的に用いられる薬です。長期に使用した時の副作用は 血圧が高くなったり、体毛が濃くなったり、歯肉が腫れたり、腎機能障害があげられます。
ミコフェノール酸モフェチルも同様に長期間用いる薬です。一般的に十分効果が期待できる薬です。主な副作用としては、腹痛、下痢や感染症にかかりやすいという副作用があります。
シクロホスファミドは、重症の症例や難治性の症例に使います。

γグロブリン大量静注療法
人の血液から抗体成分を抽出して濃縮させた製剤です。点滴で静脈内へ投与し、免疫系を介して炎症が改善する症例もありますが、明確な作用機序は分かっていません。

物理療法と運動
JDMの主な身体の症状は、筋力低下と関節の動きが硬くなることです。その結果、状況に応じて素早く行動したり、健康な生活を営むために必要な身体能力が損なわれたりしていきます。病気に冒された筋肉は短くなりその動きが制限されます。これらの機能障害には 物理療法が有効です。物理療法は筋力と持久力の両方を回復する目的で行ないます。物理療法士は関節可動域の改善、筋力の改善や維持を図るために適切な運動の仕方を子どもと両親に教えます。この運動プログラムを実践し続けていくためには理学療法士は子どもと親の両方に筋肉を伸ばす運動のやり方を教える必要があります。この運動プログラムを実践し続けていくためには両親が一緒になってこのプログラムに参加することが非常に重要です。

その他の治療
カルシウムとビタミンDの適量な摂取は推奨されています。

2.6 治療はどのくらい続けるのですか?
治療期間はその子その子で異なります。JDMの病気が子どもにどのように影響しているかによります。ほとんどのJDMの子ども達の治療期間は1-2年ですが、中には何年も治療を要する子もいます。治療は病気のコントロールを目指します。病気の活動性がない状態がしばらく続いてから(通常何か月も)薬を減量し中止していきます。活動性がないというのは 筋力低下や関節の動きが固くなるような活動性のある症状がなく、また 血液検査でも正常であることです。非活動性かどうかの評価は、すべての状況を熟考して、慎重に判断することが必要です。

2.7 民間療法や代替療法はどうですか?
民間療法や代替療法はたくさんありますが、こういった治療の情報は、患者やその家族を混乱させることがあります。ほとんどの治療は効果を証明できていません。有益性がほとんど証明されていないので、これらの治療を試す危険と利点についてよく考えてください。お金、時間、患児への負担に関して、かえって高くつくことがあります。そのうえでこれらの民間療法や代替療法を試してみたいと希望したときには 小児リウマチ医の主治医に相談してみてください。民間 代替治療の中には 通常の治療と一緒に用いることが出来るものもあります。大抵の医師はこれらの治療を試してみることに反対しないでしょうし、適切なアドバイスをしてくれることでしょう。大事なことは 現在の内服治療を中断しないことです。JDMをコントロールできる副腎ステロイドのような内服薬は、JDMの活動性がまだあるときに中断することはとても危険なことです。是非お子さんの主治医と内服についての心配事をよく話し合ってください。

2.8 定期診察
定期的な診察は大切です。外来では、病気の活動性や治療によって副作用が出ていないかをチェックします。JDMは体の各所を冒かすので 患者さんの全身を注意深く診察して行く必要があります。時々、筋力を客観的に測定し評価します。血液検査は JDMの疾患活動性や治療効果の評価をするために必要です。

2.9 予後(子どもにとって長期間の予後を意味しています)
JDMは以下3つの経過に分かれます。
1回の経過のJDM。再燃なく発症から2年以内で 寛解(活動性のない状態)に入る場合です。
何回も繰り返すJDM。寛解(疾患活動性がなく患児が良好な状態)と再発を繰り返し、経過が長くなる場合です。 治療薬を減量したり中止したりしたときに、たびたび再燃します。
慢性的に活動性が続くJDM。これは治療にもかかわらずJDMの活発な活動性が続いていく場合です。(慢性で不安定な疾患の経過)この最後のタイプのJDMが、合併症のリスクがより高くなります。
大人の皮膚筋炎と比べると JDMの子どもは一般的に状態がよく 癌(悪性)を合併することはありません。内臓を患っているJDMの子、たとえば肺とか心臓とか神経系とか内蔵とかに病変のある子の場合、病気はもっと深刻です。JDMは致命的になり得ます。しかし、これは 筋肉の炎症のひどさや、体のどの器官が病気の影響を受けているか、石灰沈着症(皮膚の下のカルシウムかたまり)があるかどうかといった、JDMがどれだけ重症か次第です。長期にわたる問題は、筋肉が硬くなること(筋肉の構造上の問題)です。これは筋肉の喪失や、石灰沈着症によって生じます。


3. 日々の生活

3.1 私の子どもや家族、日々の生活に病気はどのような影響を与えますか?
病気の子どものみならずその家族全員に精神的影響を与えるので気をつける必要があります。JDMのような慢性疾患は家族全員にとって、困難な問題です。もちろんもっと深刻な病気の状況になればなるだけ、益々困難極める事態になります。両親が対処できない問題を抱えていれば、子どもがきちんと病気に対処するのは困難です。病気にもかかわらず、子どもができる限り独り立ちするように、子どもを支え、励ます両親の積極的な態度は、たいへん重要です。親のそういった態度は、病気によって生じた困難を克服し、仲間と上手く付き合い、自立してバランスのとれた人間に成長していくことを助けます。必要なときには、小児リウマチグループが社会心理的サポートを提供するでしょう。
大人になって普通の生活が送れるようになることが 治療の主な目標の一つです。多くの患者で普通の大人の生活を送ることができる様になります。JDMの治療はここ10年で劇的な効果をあげています。そして ここ数年のうちに いくつかの新しい治療薬が認可されることでしょう。薬物療法とリハビリテーションの組み合わせにより 現在では多くの患者で筋肉へのダメージを予防できたり最小限に抑えたりする事ができます。

3.2 運動や物理療法は 私の子どもの役に立ちますか?
運動と理学療法の目的は、子どもたちが、人生の全ての日常活動にできるだけ普通に参加し、社会の中で十分力を発揮できる様にすることです。運動と物理療法は、活発で健康的な生活を送れるように手助けしてくれます。目標に到達できるためには、健康な筋肉が必要です。運動と物理療法により、柔軟性、筋力、調整と持久力(スタミナ)、より良い筋肉の状態にすることができます。筋骨格筋が健康な状態であれば、学校生活のみならず、学校の外での活動(たとえば課外活動やスポーツ)でも安全で充実した活動をすることができます。治療と自宅での運動プログラムは健康な状態を保つことにたちます。

3.3 私の子どもはスポーツが出来ますか?
どんな子どもでもスポーツをすることは 日常生活で重要なことです。物理療法の狙いの一つは 友達との違いを感じることなく普通の生活がおくれるようにすることです。一般的なアドバイスとしては、子どもがやりたいというスポーツを許可してあげることですが、もし筋肉痛があるならスポーツをするのを止めさせる必要があります。この方法は、子どもたちの治療の早期から始めることができます。 スポーツや運動を部分的に制限することは、この病気のために友達と一緒に運動したり遊ぶことが出来なくなるより良いことです。スポーツに対する一般的な対応は、病気によって理不尽に運動が制限されてしまいますが、本人が希望した中で できることならやらせてやるということです。そして、運動は物理療法士のアドバイスを受けてから行うべきです。(そして時に 物理療法士の監督が必要なこともあります)物理療法士は 患者さんの筋力がどのくらい弱くなっているかによって どのエクササイズや運動が安全かアドバイスをくれます。運動負荷は、筋肉を強くして持久力を上げていくために、徐々にあげていくべきです。

3.4 私の子どもは普通に学校に通えますか?
子どもにとっての学校は 大人にとっての職場と同じです。学校は子どもたちが個人として 自立独立していく方法を学ぶ場です。両親と学校の先生達は 子どもたちが できる限り普通のやり方で 学校での活動に参加するため 柔軟な対応をする必要があります。 定期的に学校に通学するということは、子どもが学校の勉強についていけるということだけでなく、同級生やその親に受け入れられ一つにまとまる手助けにもなります。もちろん 問題も生じます。たとえば 歩くことが難しかったり疲れやすかったり身体が痛かったり 動きが上手くできなかったりします。学校の先生方に、子どもにとって必要なことは何なのかを説明することが大切です。書き取りが難しければ手伝ったり、作業しやすい机を準備したり、筋のこわばりを防ぐために定期的に体を動かすことを許可したり、体育授業への参加を助けたりなど。子どもは、可能な時はいつでも体育の授業の一部にでも参加するよう励まされるべきです。

3.5 食事療法は私の子どもの役に立ちますか?
食事が、この病気の経過に影響するという証拠はありません。しかし通常のバランスのとれた食事は必要です。蛋白、カルシウム、ビタミンとともに健康的でバランスのとれた食事はすべての成長中の子どもには必要なものです。副腎皮質ステロイドは食欲を増進させ、簡単に体重増加につながります。副腎ステロイド内服中の子どもは食べ過ぎを避けなければなりません。

3.6 この病気の経過に気候は影響しますか?
現在の調査ではU-V紫外線がJDMに関係している事が分かっています。

3.7 私の子どもは予防接種ができますか?ワクチン接種して免疫がつきますか?
主治医に相談してください。あなたの子どもにとってどの予防接種が安全で望ましいのか決めてくれます。多く予防接種が推奨されています。破傷風、注射によるポリオ、ジフテリア 肺炎球菌 インフルエンザワクチンです。これらは不活化ワクチンで 免疫抑制剤で治療中の子どもにも安全に使用できます。しかしながら、弱毒ワクチン(たとえばおたふくかぜ 、麻疹、風疹、BCG、黄熱病ワクチンなど)については、高用量の免疫抑制剤や生物学的製剤を使用している子どもでは一般的に予防接種を受けられません。予防するためのその病気にかかってしまうリスクがあるからです。

3.8 セックス、妊娠、出産コントロールに関しての問題はありますか?
JDMの病気は、セックスや妊娠には影響しません。しかしながら病気をコントロールするための薬の多くが胎児に有害です。性に関心が強い年齢の子どもに対しては避妊の方法を教えるべきです。避妊や妊娠の問題について主治医と話す事が必要です。(特に妊娠する前に)


 
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